ファッションでたどる
この1年

今年、1億400万人のユーザーがLystでファッション検索を開始しました。Lystは12,000以上のオンラインショップが販売する6百万点のファッションアイテムのクエリー、ページビュー、販売メトリクスを分析し、同時に今年最も注目されたブランドとトレンドがもたらしたグローバルメディアカバレッジとソーシャルメディア言及数を調査しました。ストリートウェアからスパイダーブローチまで、そしてティモシー・シャラメからTevaまで、2019年の流行スタイルがここに明らかになります。

ムーブメント

サステナビリティ: サステナビリティ関連のキーワードの検索数は対前年比で75%増加し、サステナブルファッションの検索数は毎月平均27,000回となりました。特定のサステナブル素材の検索数の上昇例としては、エコニール102%、オーガニックコットン52%、リプリーブ130%、テンセル42%が挙げられます。サステナブルなデニムとスニーカーは絶対欲しい商品のトップカテゴリーとなりました。多くのブランドはコレクションで使われる素材に関して今まで以上に慎重になったり、寄付プログラムを立ち上げたり、リコマースに投資をしたりといった、意義のあるサステナビリティイニシアティブをスタートしています。

包括性: 2019年は業界において、多様性と表現の欠如に対して声を上げるシーンが多く見られました。顧客たちは、多様なコミュニティーのニーズや思いを反映するファッションを求め、アダプティブファッションやモデストファッションへの検索がそれぞれ80%と90%上昇しました。また、ファッションに「ジェンダーレス」や「ジェンダーニュートラル」というキーワードを使った検索数も52%上昇しました。「目覚めた」顧客は自分たちの価値観を共有するデザイナーやショップを求め、それに応えて世界で最も影響力のある複数のブランドが、多様性へのキャンペーンやプログラムを立ち上げて包括性を促進し、またチームを発足させて取締役会レベルで助言を仰いだブランドもありました。

ムード

モーメント

  • 1月24日

    ミーム・オートクチュール

    Viktor & Rolfのオートクチュールショーでは、スローガンがプリントされた虹色のチュールドレス をフィーチャーしました。その2時間以内に、ブランドとその「ミームオートクチュールドレス」のソーシャル言及数が249%上昇しました。

    写真提供: Thierry Chesnot/Getty Images
  • 2月19日

    カールとのお別れ

    伝説のファッションデザイナー、カール・ラガーフェルドが85歳でパリで逝去しました。数週間体調を崩していた彼は、その前月におこなわれたChanelの格調高いオートクチュールショーを欠席しています。Chanelでの彼の後任者としてヴィルジニー・ヴィアールが彼の後任者として発表されました。

    写真提供: Pascal Le Segretain/Getty Images
  • 4月12日

    K-Pop旋風

    ガールグループ、Blackpinkがコーチェラのメインステージで演奏したことは、K-Pop史上初の快挙となりました。シングル「Kill This Love」のビデオは、史上最速で1億回再生され、YouTube最大のプレミアとして記録を塗り替えました。

    写真提供: Rich Fury/Getty Images for Coachella
  • 5月1日

    キャンプのファッションパワー

    「キャンプ」をテーマとする今年のメットガラで、ケイティ・ペリーがシャンデリアのドレス、そしてハンバーガーのドレスをまとい、「太陽神」となったビリー・ポーターは6人の使者によって会場に登場しました。レディー・ガガはレッド・カーペットで4回の早着替えを披露し、その中の1つはBrandon Maxwellへの検索数を112%上昇させました。

    写真提供: Neilson Barnard/Getty Images
  • 5月10日

    リアーナの歴史的偉業

    数か月間憶測が飛び交った後、リアーナがFentyブランドを立ち上げたことを正式に発表し、LVMAのオリジナルブランドを作った初の女性となりました。最初の1か月間に、この新しいラグジュアリーハウスに関する世界のメディア記事数は世界で5,000件以上に上り、ソーシャルメディアインプレッション数は7百万を超えました。

    写真提供: Aurelien Meunier/Getty Images For Fenty
  • 7月

    セリーヌがファッションウィークを席巻

    ChanelのキャットスーツからKsenia Schnaiderのアシンメトリージーンズ、Off-Whiteのボディースーツ、Iris van Herpenの3Dドレスまで、セリーヌ・ディオンはパリのオートクチュールファッションウィークを自分のランウェイにしてしまいました。彼女は数々のオートクチュール姿を披露し、4日間でソーシャル言及数7,831%アップしました。

    写真提供: Vittorio Zunino Celotto/Getty Images
  • 8月2日

    変化をもたらす王室勢力

    メーガン妃(イギリス、サセックス公爵夫人)が、「変革の原動力(Force For Change)」と題された英国版ヴォーグ9月号でゲストエディターを務めました。ピーター・リンドバーグ撮影の表紙は、グレタ・トゥーンベリ、アドワ・アボア、ジャシンダ・アーダーン、シニード・バーケなど、メーガン妃が選んだ「現代生活にポジティブな影響を与える」15名の女性たちをフィーチャーしています。

    写真提供: @SussexRoyal/Kensington Palace via Getty Images
  • 8月24日

    パクトの新しい力

    フランスのマクロン大統領とケリングCEO のフランソワ・アンリ・ピノーがファッションパクトへ動き始めました。Gucci、Chanel、Hermès、Stella McCartney、H&M、Nikeを含む32グループ150ブランドが署名したパクトは、地球温暖化の阻止、生物多様性の復元、海洋保護を目標とした、ファッション業界の協定です。

    写真提供: Ole Jensen/Getty Images for Copenhagen Fashion Summit
  • 9月20日

    Savageショー

    Savage x FentyのファッションショーはAmazonプライムでストリーム配信され、ゲストミュージシャンとして、ホールジー、ミーゴズ、エイサップ・ファーグ、ファット・ジョー、そしてアレック・ウェック、カーラ・デルヴィーニュ、ジョアン・スモール、ラバーン・コックス、ナオミなど多種多様のモデルが参加しました。Savage x Fentyランジェリーの検索数は9月に43%アップしました。

    写真提供: Craig Barritt/Getty Images
  • 9月12日

    ジェニファー・ロペスのジャングル再び

    ジェニファー・ロペスが、ミラノファッションウィークで、2001年にGoogleが画像検索を開発するきっかけとなった伝説の「ジャングル」ドレスの新バージョンを着て、Versaceのランウェイに登場しました。彼女の登場はメディア言及数とオンラインエンゲージメントで940万ドルの効果を生みました。

    写真提供: Vittorio Zunino Celotto/Getty Images
  • 9月29日

    カーディ・B、特等席へ

    カーディ・Bはパリのファッションウィークに、頭から足先までイギリスブランドRichard Quinnに花柄に身を包んで登場しました。このブランドのLystでの検索数はカーディの装いの影響で9月に17%アップしました。その週におこなわれたThom Browneのショーでは、そのブランドのプロフェッショナルルックに身をまとい、アナ・ウィンターと最前列に座っていました。また、Chanelの3万ドルを超える衣装を着てブランドのショーに参加しました。

    写真提供: Pascal Le Segretain/Getty Images
  • 10月1日

    ジジの救出劇

    パリのファッションウィークにおいて、クリエイティブディレクターのヴィルジニー・ヴィアールが初めて単独の、Chanelのプレタポルテコレクションをおこないましたが、フランス人ユーチューバー「Marie S’Infiltre」がランウェイに乱入し、モデルのジジ・ハディッドが止めるというハプニングがありました。この向こう見ずな行為により、Chanelのソーシャル言及数が2,618%アップしました。

    写真提供: Pascal Le Segretain/Getty Images
  • 10月14~18日

    ロイヤルファッション外交

    パキスタンへのロイヤルツアーに、ウィリアム王子とキャサリン妃は、地域の文化と歴史を表現する地元のデザイナーとブランドの洋服を選びました。キャサリン妃がサルワール・カミーズを着て到着し、翌週このアイテムへの検索が170%アップしました。このツアーで着用された3ブランド、Jenny Packham、Beulah London、Ghostの合計検索数が前週比で139%上昇しました。

    写真提供: Chris Jackson/Getty Images

来年のファッション予測

  • 宇宙時代

    火星への4つの使命を受け、2020年の打ち上げに向けてSpaceXの再利用できるロケットと新しい世代の有人宇宙船の準備を進める中、宇宙ファッションに目を向けるときが来ています。2020年春夏キャットウォークで見られたような、ホログラフィックファブリック、宇宙服風の上着、別世界的スタイルの人気が期待できます。

  • 日本マニア

    来年夏開催の2020年オリンピックとパラリンピックに、海外から60万人の観客が東京を訪れることが見込まれています。Japan2020に注目が集まり、原宿の大胆なストリートスタイルや、Sacai、Undercover、Visvim、Neighborhoodなどの熱狂的人気の日本の現代ブランドがファッションを刺激する予感が高まります。今年はこれらの日本のブランドの検索数が8%アップしています。

  • ビッグバッグエナジー

    今年はミニバッグ人気の影響で、平均的な表面サイズのバッグの需要が40%下がりました。2020年は、再び2000年代の大きなサイズが復活することが予想されます。特に今はLittle LiffnerやThe Rowの商品ようなソフトレザースタイルに期待がかかります。

  • 政治的ファッション

    2019年は、世界の政治的文化的緊張が世界中の消費者の思考に影響を与え、ファッション業界にとって動乱の1年となりました。民主党大統領候補のトム・ステイヤー氏のこだわりのネクタイは既にアメリカ国民のツイートと検索の対象となっています。来るアメリカ大統領選挙に影響され、2020年は政治家、ブランド、ショップから、より多くの政治的主張がファッションを通して見られることが予想されます。

  • 期待の5ブランド

    この6か月間の検索キーワード数が勢い良く上昇中の、以下のブランドの躍進が期待されます。Rotate Birger Christensen (+27%)、GCDS (+23%)、ALYX (+36%)、Marine Serre (+32%)、Cecilie Bahnsen (+38%)。